Rory Stewart: Time to end the war in Afghanistan

ローリー•スチュアート「アフガニスタン戦争を終わらせよう」

翻訳: Kosuke Tanaka 校正: Hiroko Scherer

The question today is not:

今日、問われるべきことは

Why did we invade Afghanistan?

「なぜ、アフガニスタンに侵攻したのか」ではないのです。

The question is:

つまり、

why are we still in Afghanistan

なぜ、１０年たった今も

one decade later?

アフガニスタンにいるのか、ということなんです。

Why are we spending

なぜ、１３５０億ドルものお金を

$135 billion?

つぎこんでいるのか

Why have we got 130,000 troops on the ground?

なぜ、１３万人もの兵士を動員しているのか

Why were more people killed

なぜ、先月、

last month

戦争が始まって以来、

than in any preceding month

最も多くの犠牲者が

of this conflict?

出たのかということなんです。

How has this happened?

どうして、こんなことになってしまったのでしょうか。

The last 20 years

この２０年間は

has been the age of intervention,

戦争介入の２０年間でした。

and Afghanistan is simply one act

アフガニスタンへの侵攻は、

in a five-act tragedy.

その間に起こった、５つの戦争介入のうちの一つです。

We came out of the end of the Cold War

冷戦終結後の陰鬱としていた時に

in despair.

介入は始まりました。

We faced Rwanda;

ルワンダに行き、

we faced Bosnia,

ボスニアにも行きました。

and then we rediscovered our confidence.

そこで、自分たちの力を再確認し、自信を持ちました。

In the third act, we went into Bosnia and Kosovo

３つめに、ボスニアとコソボに介入し、

and we seemed to succeed.

成功しました。

In the fourth act, with our hubris,

そして、傲慢さや

our overconfidence developing,

自信過剰が、４つ目の

we invaded Iraq and Afghanistan,

イラクとアフガニスタンへの介入を引き起こしました。

and in the fifth act,

そして、今、５つめにあたる、

we plunged into a humiliating mess.

収拾のつかない混乱に陥っているわけです。

So the question is: What are we doing?

ですから、一体全体、何をしているのか、ということなんです。

Why are we still stuck in Afghanistan?

どうして、今もアフガニスタンで立ち往生しているのでしょうか？

And the answer, of course,

それに対する答えは、

that we keep being given

何度も、

is as follows:

聞かされてきました。

we're told that we went into Afghanistan

９・１１テロのために

because of 9/11,

アフガニスタンに侵攻したが、

and that we remain there

今も、タリバンの脅威が消え去っていないので、

because the Taliban poses an existential threat

世界の安全を考えて、アフガニスタンに留まっている。

to global security.

という風に。

In the words of President Obama,

オバマ大統領は、

"If the Taliban take over again,

タリバンの勢力がまた強まれば、

they will invite back Al-Qaeda,

大量殺戮を企てるアルカイダを

who will try to kill as many of our people

引き寄せるだろう、

as they possibly can."

と言っています。

The story that we're told

つまり、

is that there was a "light footprint" initially --

当初、小規模で介入したので、

in other words, that we ended up in a situation

結局のところ、

where we didn't have enough troops,

十分な数の軍がおらず、

we didn't have enough resources,

物資も足りなくなり、結果、

that Afghans were frustrated --

アフガニスタンの人たちを苦しめていると言うわけです。

they felt there wasn't enough progress

経済発展や

and economic development and security,

治安回復が十分に進んでいない、

and therefore the Taliban came back --

だから、タリバンが戻ってきたのだと考えていました。

that we responded in 2005 and 2006

それで、２００５年、２００６年に

with troop deployments,

軍を配置しました。

but we still didn't put enough troops on the ground.

しかし、軍の数は十分でなかったのです。

And that it wasn't until 2009,

そして、２００９年にオバマ大統領が

when President Obama signed off on a surge,

支援を増やしました。

that we finally had,

クリントン国務長官の言葉をかりれば、

in the words of Secretary Clinton,

「戦略、リーダーシップ、資源」が

"the strategy, the leadership and the resources."

やっと手に入ったのです。

So, as the president now reassures us,

こうして、オバマ大統領はアフガニスタンが平和への軌道に乗ったことを

we are on track to achieve our goals.

説いたわけです。

All of this is wrong.

ところが、これらは、みんな間違っています。

Every one of those statements is wrong.

すべて間違いです。

Afghanistan does not

アフガニスタンには、

pose an existential threat

世界平和を脅かすような

to global security.

潜在的な危険はありません。

It is extremely unlikely

タリバンがカブールを制圧し、

the Taliban would ever be able to take over the country --

アフガニスタンをのっとるなんて、

extremely unlikely they'd be able to seize Kabul.

まったくもって、ありえません。

They simply don't have a conventional military option.

タリバンには、それだけの軍事力はありません。

And even if they were able to do so, even if I'm wrong,

もし仮に、私が間違っていて、彼らが制圧できるとしても、

it's extremely unlikely

タリバンがアルカイダを呼び寄せることは

the Taliban would invite back Al-Qaeda.

まったくもってありえません。

From the Taliban's point of view,

タリバンからすれば、

that was their number one mistake last time.

前回、アルカイダを呼び寄せたのは、最大の過ちだったのです。

If they hadn't invited back Al-Qaeda,

もし、アルカイダを呼び寄せていなければ、

they would still be in power today.

今日も、勢力を維持し続けていられたでしょう。

And even if I'm wrong about those two things,

さらに、今、私が言った２つのことが間違いで、

even if they were able to take back the country,

タリバンが、アフガニスタンを制圧し、

even if they were to invite back Al-Qaeda,

アルカイダを呼び寄せようとしたとしても、

it's extremely unlikely

アルカイダが、勢力を拡大して、

that Al-Qaeda would significantly enhance

アメリカやヨーロッパを攻撃する

its ability to harm the United States

ということは起こりません。

or harm Europe.

ありえません。

Because this isn't the 1990s anymore.

というのも、今は、もう１９９０年代ではないからです。

If the Al-Qaeda base

もしアルカイダが、

was to be established near Ghazni,

ガズニーの付近に基地を作ろうとすれば

we would hit them very hard,

我々が徹底的に攻撃するでしょうし、

and it would be very, very difficult

タリバンもアルカイダを守るのは

for the Taliban to protect them.

困難でしょう。

Furthermore, it's simply not true

さらに言うなれば、

that what went wrong in Afghanistan

小規模な介入のせいで、アフガニスタンを

is the light footprint.

混乱に陥れたというのは、まったくもって間違っています。

In my experience, in fact,

私の経験では、実際、

the light footprint was extremely helpful.

小規模作戦は非常に有効だと思います。

And these troops that we brought in --

我々が投入した軍隊、

it's a great picture of David Beckham

ところで、このデイビッド・ベッカムがサブマシンガンを持ってる

there on the sub-machine gun --

写真、いいですね。

made the situation worse, not better.

そう、その軍隊が状況を悪化させたのです。

When I walked across Afghanistan

２００１年から２００２年にかけた冬に

in the winter of 2001-2002,

アフガニスタンを歩き回った時に、

what I saw was scenes like this.

こんな光景を目にしました。

A girl, if you're lucky,

暗い部屋の片隅で女の子が

in the corner of a dark room --

コーランを眺めています。これは、

lucky to be able to look at the Koran.

その女の子は恵まれていると言えます。

But in those early days

十分な軍隊や、物資がなかったと言われる

when we're told we didn't have enough troops and enough resources,

当初のアフガニスタンでも

we made a lot of progress in Afghanistan.

多くの成果が見られました。

Within a few months,

数か月の間に、

there were two and a half million more girls in school.

２５０万人以上の女子が学校に通うようになりました。

In Sangin where I was sick in 2002,

２００２年に私が病気になったサンギンでは、

the nearest health clinic

最寄の病院が、

was within three days walk.

歩いて３日かかる距離の中に一つあるだけでした。

Today, there are 14 health clinics

ところが、今日では、その区域の中に１４もの病院が

in that area alone.

あります。

There was amazing improvements.

驚くべき進歩もありました。

We went from almost no Afghans

タリバンが支配していたころには、

having mobile telephones during the Taliban

アフガニスタンの人はほとんど誰も

to a situation where, almost overnight,

携帯電話を持っていませんでしたが、

three million Afghans had mobile telephones.

急速に、３００万人の人が携帯を持つようになったのです。

And we had progress in the free media.

フリーメディアの分野も進歩し、

We had progress in elections --

選挙も改善されました。

all of this with the so-called light footprint.

これらはみな、小規模な介入のおかげで起こったのです。

But when we began to bring more money,

しかしながら、我々からの

when we began to invest more resources,

経済支援や投資が増えると事態は

things got worse, not better. How?

よくなるどころか、悪化してしまいました。どうしてでしょう。

Well first see, if you put 125 billion dollars a year

そもそも、年間１２５０億ドルもの大金を

into a country like Afghanistan

国家の年間予算が１０億ドルほどの

where the entire revenue of the Afghan state

アフガニスタンのような国に

is one billion dollars a year,

投入したら、

you drown everything.

すべてをめちゃくちゃにするだけです。

It's not simply corruption and waste

汚職や無駄を招くだけでは

that you create;

ありません。

you essentially replace the priorities of the Afghan government,

選挙によって選ばれたはずの、アフガニスタン政府よりも

the elected Afghan government,

滞在が短い上に、

with the micromanaging tendencies

うるさく干渉してくる

of foreigners on short tours

外国人の方が

with their own priorities.

優先されてしまうのです。

And the same is true for the troops.

これは、軍隊でも同じです。

When I walked across Afghanistan,

アフガニスタンを歩き回っていた時に、

I stayed with people like this.

こんな人たちと共に過ごしました。

This is Commandant Haji Malem Mohsin Khan of Kamenj.

その内の一人、カマンジのカマンジハジ・マーレム・モーシン・ハン長官は、

Commandant Haji Malem Mohsin Khan of Kamenj was a great host.

素晴らしいもてなしをしてくれました。

He was very generous,

私がともに過ごした、他の多くのアフガニスタンの人

like many of the Afghans I stayed with.

と同様に、親切な人でした。

But he was also considerably more conservative,

けれども、彼は、私たちが

considerably more anti-foreign,

思っている以上に、保守的で、

considerably more Islamist

外国に対して排他的で

than we'd like to acknowledge.

イスラーム主義でした。

This man, for example, Mullah Mustafa,

また、ムラー・ムスタファという人は

tried to shoot me.

私を撃とうとしました。

And the reason I'm looking a little bit perplexed in this photograph

この写真で、私が、少し困惑している様に見えますが、

is I was somewhat frightened,

いくぶんか、恐ろしかったのです。

and I was too afraid on this occasion

それに、１時間も砂漠の中を走り回って

to ask him, having run for an hour through the desert

この家に避難したところだったので、

and taken refuge in this house,

どうして私と一緒に写真を撮るのか

why he had turned up and wanted to have his photograph taken with me.

恐ろしくて、とても聞ける状況ではありませんでした。

But 18 months later, I asked him

でも、一年半後

why he had tried to shoot me.

なぜ、私を撃とうとしたか聞いてみました。

And Mullah Mustafa -- he's the man with the pen and paper --

ムラー・ムスタファは、写真上で紙とペンを持ってる人です。

explained that the man sitting immediately to the left as you look at the photograph,

ムラー・ムスタファは、この写真の一番左にいる、

Nadir Shah

ナディア・シャーという人が、

had bet him that he couldn't hit me.

ムラーには、私を撃つことができないと言ってのけたからだと説明しました。

Now this is not to say

しかし、アフガニスタンはムラー・ムスタファのような人で

Afghanistan is a place full of people like Mullah Mustafa.

いっぱいな場所だと言いたいのではありません。

It's not; it's a wonderful place

違います。素晴らしい場所です。

full of incredible energy and intelligence.

輝かしいエネルギーと知性に満ち溢れる場所です。

But it is a place

ただ、軍の配備によって

where the putting-in of the troops

攻撃的行為が減るどころか、

has increased the violence rather than decreased it.

増えてしまった場所でもあります。

2005, Anthony Fitzherbert,

２００５年に、農業工学者の

an agricultural engineer,

アンソニー・フィツァーバートは

could travel through Helmand,

ヘルマンドを旅することができ、

could stay in Nad Ali, Sangin and Ghoresh,

ナド・アリやサンギン、フォレシュに滞在することもできました。

which are now the names of villages where fighting is taking place.

これらの村は今、戦闘地域になっているところです。

Today, he could never do that.

今ではそんな事はできません。

So the idea that we deployed the troops

結局、タリバンの反乱に対して

to respond to the Taliban insurgency

軍を配置したのは

is mistaken.

間違いだったのです。

Rather than preceding the insurgency,

軍の配置によって反乱を防ぐどころか

the Taliban followed the troop deployment,

タリバンがやって来てしまいました。

and as far as I'm concerned,

私が考える限りでは、

the troop deployment caused their return.

軍の配置が、タリバンを引き戻したのです。

Now is this a new idea?

さて、これは奇抜な考えでしょうか。

No, there have been any number of people

いいえ。大変多くの人が、

saying this over the last seven years.

この７年間、私と同じことを言っています。

I ran a center at Harvard

２００８年から２０１０年まで、

from 2008 to 2010,

私は、ハーバードの研究所にいました。

and there were people like Michael Semple there

そこには、マイケル・センプルのように

who speak Afghan languages fluently,

アフガニスタン語を流暢に話し、

who've traveled to almost every district in the country.

アフガニスタンのほとんど全地域に行ったことのある人たちがいました。

Andrew Wilder, for example,

例えば、アンドルー・ウィルダーは

born on the Pakistan-Iranian border,

パキスタンとイランの国境で生まれ、

served his whole life

彼の人生のすべてを

in Pakistan and Afghanistan.

パキスタンとアフガニスタンに捧げました。

Paul Fishstein who began working there in 1978 --

１９７８年に働き始めたポール•フィッシュスタインは

worked for Save the Children,

セーブ•ザ•チルドレンで活動し、

ran the Afghan research and evaluation unit.

アフガニスタンの調査部署を立ち上げました。

These are people

こうした人々が

who were able to say consistently

軍の配置を増やしたことが

that the increase in development aid

アフガニスタンをより危険にしていると

was making Afghanistan less secure, not more secure --

言い続けているのです。

that the counter-insurgency strategy

反乱を軍で制圧する作戦は、

was not working and would not work.

機能することはないと主張しています。

And yet, nobody listened to them.

それでも、未だに誰も彼らの話を聞きません。

Instead,

うんざりするような

there was a litany of astonishing optimism.

楽観的な話ばかりしています。

Beginning in 2004,

２００４年以来、

every general came in saying,

どの司令官も、

"I've inherited a dismal situation,

「悪い状況を引き継いだが、

but finally I have the right resources and the correct strategy,

適切な人源、資源、正しい戦略のもとに

which will deliver,"

成果をあげるだろう」と言いました。

in General Barno's word in 2004,

２００４年、バーノ司令官は、

the "decisive year."

「決定的に重要な年だった」と言いました。

Well guess what? It didn't.

そんなはずはないのですが。

But it wasn't sufficient to prevent General Abuzaid saying

困った事にアブザイド司令官も

that he had the strategy and the resources

２００５年に

to deliver, in 2005,

彼は素晴らしい支援ができ、

the "decisive year."

「決定的に重要な年だった」と言っています。

Or General David Richards to come in 2006

今度は、デイビッド・リチャーズ司令官が

and say he had the strategy and the resources

２００６年はタリバンにとって

to deliver the "crunch year."

「試練の年だった」と言っています。

Or in 2007,

２００７年には、

the Norwegian deputy foreign minister, Espen Eide,

ノルウェーの副外相、エスペン・アイダが

to say that that would deliver the "decisive year."

「決定的に重要な年だった」と言い、

Or in 2008, Major General Champoux

２００８年には、シャンプー少将が、

to come in and say he would deliver the "decisive year."

「決定的に重要な年だった」と言い、

Or in 2009, my great friend,

２００９年には、私の親友でもある、

General Stanley McChrystal,

スタンレー・マククリスタル司令官は、

who said that he was "knee-deep in the decisive year."

「決定的に重要な年に激務した」と言い、

Or in 2010,

２０１０年には、

the U.K. foreign secretary, David Miliband,

イギリスの外務大臣、デイヴィッド・ミリバンドが

who said that at last we would deliver the "decisive year."

「決定的に重要な年になる」といい、

And you'll be delighted to hear in 2011, today,

そして、もうおわかりのように、２０１１年の今、

that Guido Westerwelle, the German foreign minister,

ドイツの外務大臣、ギド・ヴェスターヴェレが

assures us that we are in the "decisive year."

「我々は、今、決定的に重要な年にいる」と言っています。

(Applause)

（拍手）

How do we allow

どうしてこんなことが

any of this to happen?

起こっているのでしょうか。

Well the answer, of course, is,

その答えは、

if you spend 125 billion or 130 billion

年間１２５０億から１３００億ドルものお金が

dollars a year in a country,

投入されることで、

you co-opt almost everybody.

ほとんどすべての人、

Even the aid agencies,

そして、学校や病院を建てるのに

who begin to receive an enormous amount of money

アメリカやヨーロッパ政府から

from the U.S. and the European governments

大金をもらっている

to build schools and clinics,

支援機関までもが、

are somewhat disinclined

アフガニスタンは、

to challenge the idea

世界平和を脅かす、

that Afghanistan is an existential threat

危険な場所だという考えを

to global security.

否定しなくなっているのです。

They're worried, in other words,

言い換えれば、

that if anybody believes that it wasn't such a threat --

アフガニスタンがそんなに危険だと思われなければ

Oxfam, Save the Children

オックスファムや、セーブ・ザ・チルドレンは

wouldn't get the money

学校や病院を建てる資金が

to build their hospitals and schools.

得られなくなるのです。

It's also very difficult to confront a general

胸にメダルをかけた

with medals on his chest.

司令官に立ちはだかるのは難しいことです。

It's very difficult for a politician,

政治家にも軍を止めるのは難しいでしょう。

because you're afraid that many lives have been lost in vain.

多くの人がむなしく死んでいるのですから。

You feel deep, deep guilt.

深い罪悪感が生まれ、

You exaggerate your fears,

恐れが膨張しているのです。

and you're terrified about the humiliation

そして、負けた時の屈辱を

of defeat.

恐れているのです。

What is the solution to this?

どうすればよいのでしょうか

Well the solution to this

解決方法は、

is we need to find a way

マイケル・センプルなどの、

that people like Michael Semple, or those other people,

アフガニスタンで３０年も暮らし、

who are telling the truth, who know the country,

地域のことをよくわかっていて、

who've spent 30 years on the ground --

真実を語る人たち、

and most importantly of all,

そして、最も重要な事は

the missing component of this --

自国の状況が分かっている

Afghans themselves,

アフガニスタン人を力を

who understand what is going on.

活用しなければなりません。

We need to somehow get their message

どうにかして、政治家に彼らのメッセージを

to the policymakers.

届けなければなりません。

And this is very difficult to do

でも、組織的にそれは

because of our structures.

とても難しい。

The first thing we need to change

まず変えなければならないのは、

is the structures of our government.

我々の政府の組織構造です。

Very, very sadly,

本当に残念なことに

our foreign services, the United Nations,

外務省や、国連、

the military in these countries

そしてこうした国々の軍隊は、

have very little idea of what's going on.

何が起こってるのかほとんどわかっていません。

The average British soldier is on a tour of only six months;

平均して、イギリスの兵士は６か月しか滞在しません。

Italian soldiers, on tours of four months;

イタリアの場合は４か月ですし、

the American military, on tours of 12 months.

アメリカは１年間です。

Diplomats are locked in embassy compounds.

外交官は大使館にこもりっきりです。

When they go out, they travel in these curious armored vehicles

外に出るときも、武装車に乗って

with these somewhat threatening security teams

威圧感のある治安部隊を従えて出かけます。

who ready 24 hours in advance

この部隊は２４時間体制で、

who say you can only stay on the ground for an hour.

１時間以上、外にいるのを許可しません。

In the British embassy in Afghanistan

２００８年、アフガニスタンにある

in 2008,

イギリス大使館では、

an embassy of 350 people,

３５０人の職員のうち、

there were only three people who could speak Dari,

アフガニスタンの主要言語である

the main language of Afghanistan, at a decent level.

ダリー語を十分に話せる人が３人しかいませんでした。

And there was not a single Pashto speaker.

パシュトー語を話す人は一人もいませんでした。

In the Afghan section in London

昨年、

responsible for governing Afghan policy on the ground,

ロンドンにある外務英連邦省の

I was told last year

アフガニスタン部門には

that there was not a single staff member

誰一人として

of the foreign office in that section

現地で勤務した者が

who had ever served

いない、という事を

on a posting in Afghanistan.

聞きました。

So we need to change that institutional culture.

ですから、こうした組織文化を変えねばなりません。

And I could make the same points about the United States

こうした問題点は、アメリカや

and the United Nations.

国連にも当てはまります。

Secondly, we need to aim off of the optimism of the generals.

次に、司令官たちの楽観主義を変えねばなりません。

We need to make sure that we're a little bit suspicious,

慎重になって考え、

that we understand that optimism

楽観主義というのは、

is in the DNA of the military,

軍隊のDNAにしみこんでいると思わねばなりません。

that we don't respond to it

そして、そうした楽観主義にすぐに

with quite as much alacrity.

応じてはいけません。

And thirdly, we need to have some humility.

加えて、謙虚な態度でなくてはなりません。

We need to begin from the position

我々の知識や権力、

that our knowledge, our power,

正当性というのは

our legitimacy

絶対的ではない、という認識を

is limited.

持つことから始めましょう。

This doesn't mean

別にこれは、

that intervention around the world is a disaster.

戦争介入が悪いという意味ではないのです。

It isn't.

そうではありません。

Bosnia and Kosovo

ボスニアとコソボの介入に関しては、

were signal successes,

素晴らしい成功だった、と

great successes.

言えます。

Today when you go to Bosnia

今、ボスニアに行ったら、

it is almost impossible to believe

１９９０年初頭の状況が

that what we saw in the early 1990s happened.

想像できないでしょう。

It's almost impossible to believe the progress we've made

１９９４年からの復興も

since 1994.

信じがたいでしょう。

Refugee return,

国連難民高等弁務官事務所の

which the United Nations High Commission for Refugees

予想に大きく反して、

thought would be extremely unlikely,

難民たちが

has largely happened.

国に戻ってきました。

A million properties have been returned.

多くの財産が戻り、

Borders between the Bosniak territory

ボスニアとクロアチアの境界も、

and the Bosnian-Serb territory have calmed down.

ボスニアとセルビアの境界も落ち着きました。

The national army has shrunk.

国軍は縮小し、

The crime rates in Bosnia today

今日のボスニアの犯罪率は、

are lower than they are in Sweden.

スウェーデンよりも低いのです。

This has been done

こうしたことは、

by an incredible, principled effort

国を越えた連携と、

by the international community,

信念に基づいた多大な努力と、

and, of course, above all,

そして何よりも、

by Bosnians themselves.

ボスニアの人たちによって成し遂げられました。

But you need to look at context.

そして、この経緯こそ注目するべきです。

And this is what we've lost in Afghanistan and Iraq.

これこそが、アフガニスタンとイラクの介入のケースで

You need to understand that in those places

欠けているものなんです。

what really mattered

まず、重要なことは、

was, firstly, the role of Tudman and Milosevic

トゥジマンとミロシェビッチが

in coming to the agreement,

合意したことです。

and then the fact those men went,

そして、彼らが退き、

that the regional situation improved,

地域の情勢はよくなり、

that the European Union could offer Bosnia

EUがボスニアに驚くべき

something extraordinary:

申し出をしたんです。

the chance to be part

それは、EUという新しく、

of a new thing, a new club,

どんどん勢力を増す

a chance to join something bigger.

集団に入らないかという申し出でした。

And finally, we need to understand that in Bosnia and Kosovo,

また、ボスニアとコソボにおける

a lot of the secret of what we did,

成功の要因を大きく占めたのは、

a lot of the secret of our success,

我々が謙虚だったと言うことです。

was our humility --

謙虚さが

was the tentative nature of our engagement.

この介入のの特徴でした。

We criticized people a lot in Bosnia

我々は、ボスニア人の

for being quite slow to take on war criminals.

戦犯者の処分や難民帰還に対する

We criticized them

取り組みが遅い事を

for being quite slow to return refugees.

批判しました。

But that slowness, that caution,

しかし、そうした、遅さ、慎重さ、

the fact that President Clinton initially said

そして、クリントン元大統領が当初唱えた

that American troops would only be deployed for a year,

アメリカ軍は１年間しか配置しないという

turned out to be a strength,

指令が、結局、強みとなり、

and it helped us to put our priorities right.

スムーズにやるべきことを実行できたのです。

One of the saddest things

アフガニスタンの介入で

about our involvement in Afghanistan

非常に残念だったのは、

is that we've got our priorities out of sync.

目的からずれたことを優先していたことです。

We're not matching our resources to our priorities.

適切な支援を適切な所にあてていません。

Because if what we're interested in is terrorism,

テロ対策を重要視するならば、

Pakistan is far more important than Afghanistan.

アフガニスタンよりパキスタンの方がはるかに重要です。

If what we're interested in is regional stability,

地域情勢の安定に重点をおくならば、

Egypt is far more important.

エジプトの方が重要です。

If what we're worried about is poverty and development,

貧困や発展を気にかけているのならば、

sub-Saharan Africa is far more important.

サブサハラアフリカに注目するべきでしょう。

This doesn't mean that Afghanistan doesn't matter,

アフガニスタンのことは気にしなくていい、と言ってるのではありません。

but that it's one of 40 countries in the world

ただ、アフガニスタンも、援助を必要とする

with which we need to engage.

４０カ国の一つだと言いたいのです。

So if I can finish with a metaphor for intervention,

最後に、この介入についてたとえ話をするならば、

what we need to think of

必要なのは、

is something like mountain rescue.

山岳救助隊のようなものです。

Why mountain rescue?

なぜ、山岳救助隊か。

Because when people talk about intervention,

介入について考える時、

they imagine that some scientific theory --

科学的理論をもとに考えます。

the Rand Corporation goes around

ランド研究所は

counting 43 previous insurgencies

これまで発生した４３の暴動を分析し、

producing mathematical formula

数式を作った結果、

saying you need one trained counter-insurgent

２０人にごとに反暴動部隊が必要だと

for every 20 members of the population.

判断したりします。

This is the wrong way of looking at it.

こうした見方が間違っているんです。

You need to look at it in the way that you look at mountain rescue.

山岳救助隊のようにとらえなくてはいけないのです。

When you're doing mountain rescue,

山岳救助をするときに

you don't take a doctorate in mountain rescue,

「山岳救助」の学位はいりません。

you look for somebody who knows the terrain.

誰かその地域に詳しい人が必要です。

It's about context.

大事なのは状況把握なんです。

You understand that you can prepare,

いくら準備するといっても、

but the amount of preparation you can do

準備できることは、

is limited --

限られています。

you can take some water, you can have a map,

水も持っていくでしょうし、地図も、

you can have a pack.

そしてリュックサックもいるでしょう。

But what really matters

でも、本当に大事なのは、

is two kinds of problems --

次の２つの状況です。

problems that occur on the mountain

まず、山の斜面にある氷のように

which you couldn't anticipate,

避けることはできるけれども、

such as, for example, ice on a slope,

予測しえなかった状況、

but which you can get around,

そして、

and problems which you couldn't anticipate

突然の吹雪、なだれ、

and which you can't get around,

気候変動など、

like a sudden blizzard or an avalanche

避けることができない上に、

or a change in the weather.

予測しえなかった状況、です。

And the key to this

こういう時に、

is a guide who has been on that mountain,

どの季節も山で過ごし、

in every temperature,

山のことを熟知していて、

at every period --

いつ引き返すべきか、

a guide who, above all,

わかっていて、

knows when to turn back,

状況が悪くなったら

who doesn't press on relentlessly

無理をしない

when conditions turn against them.

ガイドが頼りになるのです。

What we look for

つまり、介入において重要なのは

in firemen, in climbers, in policemen,

消防士、登山家、警察官のように

and what we should look for in intervention,

判断に優れ、

is intelligent risk takers --

リスクを恐れない人なんです。

not people who plunge blind off a cliff,

行き当たりばったりに崖に突っ込む人や、

not people who jump into a burning room,

燃えている部屋に飛び込む人ではなく

but who weigh their risks,

リスクを負い、

weigh their responsibilities.

責任を取ることができる人です。

Because the worst thing we have done in Afghanistan

アフガニスタンの介入において

is this idea

最もいけなかったのは、

that failure is not an option.

失敗は許されないという考えです。

It makes failure invisible,

そのせいで、失敗がなおざりにされ、

inconceivable and inevitable.

起こりえないと考えられながらも、防げなくなっているのです。

And if we can resist

このとんでもないスローガンに

this crazy slogan,

こだわらなければ

we shall discover --

エジプト、シリア、リビア、

in Egypt, in Syria, in Libya,

世界中のどこでも、

and anywhere else we go in the world --

思った以上の成果が

that if we can often do much less than we pretend,

思った以上の成果を上げられることが

we can do much more than we fear.

わかるでしょう。

Thank you very much.

ありがとうございました。

(Applause)

（拍手）

Thank you. Thank you very much.

どうもありがとう。

Thank you. Thank you very much.

ありがとう。

Thank you. Thank you. Thank you.

どうも。どうも。

(Applause)

（拍手）

Thank you.

ありがとう

Thank you. Thank you.

どうも、どうも。

Thank you.

ありがとう

(Applause)

（拍手）

Bruno Giussani: Rory, you mentioned Libya at the end.

ロリー、最後にリビアについて触れていたが、

Just briefly, what's your take on the current events there

簡単に、今のリビアと、そこへの介入についての

and the intervention?

あなたの考えを教えてくれますか？

Rory Stewart: Okay, I think Libya poses the classic problem.

はい、リビアは典型的な問題を抱えていると思います。

The problem in Libya

その問題というのは、

is that we are always pushing for the black or white.

いつも我々が白黒をはっきりさせようとしてしまう、ということです。

We imagine there are only two choices:

いつも白か黒のどちらかしかないと思ってしまう。

either full engagement and troop deployment

つまり、完全に介入して、軍を配置するか、

or total isolation.

完全に放っておくか、ということです。

And we are always being tempted up to our neck.

それで、困難な状況になってしまう。

We put our toes in and we go up to our neck.

挑戦しても、結局、困難に陥ってしまう。

What we should have done in Libya

リビアに関して、なされるべきだったのは、

is we should have stuck to the U.N. resolution.

国連の判断に従うべきだったということです。

We should have limited ourselves very, very strictly

ベンガジの人々を助けるために、

to the protection of the civilian population in Benghazi.

厳しく自分たちを自制するべきだったのです。

We could have done that.

できたはずです。

We set up a no-fly zone within 48 hours

カダフィが飛行機を使っていない４８時間の間に

because Gaddafi had no planes

飛行禁止区域を

within 48 hours.

設定しました。

Instead of which, we've allowed ourselves to be tempted

そして、政治改革に関わって

towards regime change.

いったのです。

In doing so, we've destroyed our credibility with the Security Council,

このリビアでの介入で、安保理は信頼を落としてしまいました。

which means it's very difficult

結果的に、シリアに対して、

to get a resolution on Syria,

解決にあたるのが難しくなってしまいました。

and we're setting ourselves up again for failure.

そして、また失敗に行きつこうとしています。

Once more, humility,

もう一度言います。謙虚さ、

limits, honesty,

自制、誠実さ、

realistic expectations

現実的な判断

and we could have achieved something to be proud of.

これらがあれば、もっとうまくいっていたでしょう。

BG: Rory, thank you very much.

ロリー、ありがとう。

RS: Thank you. (BG: Thank you.)

ありがとうございました。